働く人の心理的支援を目指している私のカウンセリングルームにはお仕事をされていて、難しい問題を抱えている方が来所されます。そして、そのご相談というのは実は大きくとらえると人間関係の問題であることが多いです。ただ、その人間関係の相手というのが、上司であったり同僚であったり、その他いろんな人との人間関係がどうもうまくいかない。ちょっとしたすれ違い程度であればまだいいのでしょうが、私が伺うご相談というのはすれ違いというレベルは少なくとも超えているケースです。

そういった人間関係の問題というのはどうして発生するのでしょうか。私は以下の3点が主な原因ではないだろうかと思っています。

共に働く人それぞれに異なる価値観

仕事に対するスタンスというものがあります。これは人によってピンキリなのが普通です。給料がどうであれ、全身全霊を傾けて働く人もいるでしょうし、プライベートを重視し給料に見合った働きを見極めてその範囲内の仕事をする人もいるでしょう。どちらもやることはやっているので基本的には他社から非難されることはしていない。もっとも経営者としては前者のほうが嬉しいかもしれませんが…。なんにせよ、程度の差はあるものの一生懸命やりたい人もいれば、それなりでいいと思う人もいるでしょう。大事なのはそういった働くこと、その仕事をすることに対して人それぞれに価値観は違っていることを認識することです。自分が熱血社員だからほかの人もそうだろう、そうあるべきだろうと考えるのはちょっと柔軟性に欠ける気がします。

仕事に対してまずは人それぞれに良し悪しは別として価値観が異なるということを知っておかないと、意見の相違がなかなか受け入れられず人間関係にしこりを残すと私は思います。

価値観を共有するコミュニケーションがない

仕事に対する価値観が異なるのはわかったものの、では異なる価値観同士で人間関係をこじらせることなくスムーズに仕事をするにはどうしたらいいでしょうか。これについてはやはりコミュニケーションを取っていくことに尽きると思います。コミュニケーションを取るといっても何も飲み会を開いたり、レクリエーションを実施したりとかはする必要はないと思います。同じ職場で仕事をしているときの何気ない会話を増やしていくことが一番でしょう。「この書類どう思う?私はもっとシンプルなのがいいと思うけど」「私は残業してでも納得のいく仕事をするタイプだなぁ」というように。そういった会話をしていく中で、その人の仕事の価値観が見え隠れしだします。そこで、その価値観はだめだ!っていってしまうとアウト。コミュニケーションはそこで終わってしまいます。価値観を共有しいったんは受容することで互いの仕事への価値観を理解しあえるのです。価値観の押し付けで職場の人間関係がよくなるとは到底思えません。

業務に支障がない限りにおいて価値観を互いに尊重していない

仕事なんていい加減でいいんだ、などいった業務に支障が出るくらいの仕事の価値観を持っている人がいるとしたらそれは困ります。最低限の仕事の質を保てるようにマネージャーが教育をする必要はあります。しかし、そうではない場合、いわゆる業務に支障が出ない程度の価値観の相違であればそれは互いに尊重しあうことが大事ではないでしょうか。みんながみんな熱血である必要はないし、みんながみんな冷めた姿勢である必要はないわけで。自分のスタンスを受け入れてもらい、ほかの人のスタンスを受け入れる。こうすることで職場の人間関係のもつれは解消するように思います。

あの人はあの人、私は私、業務に問題がないのなら自分の価値観に沿ってやりたいようにやっていけばいいじゃない。そういった多様性を受け入れることがこれからの社会での働き方に求められるような気がしています。