何か悩みごとがあって、それを人に相談する。これは日常的に行われていることなのですが、相談を受けた側の対応に2種類あるように思っています。それがアドバイスをする場合と、共感をする場合。そして、個人的に感じているのは、相談を受けた側はアドバイスをすることが多いということです。

どちらが相談する側として嬉しいでしょうか。例えばお腹が痛いという相談を受けたとき、近くの病院を紹介する、胃腸薬を渡すのはアドバイスに分類されると思います。要は対処法を教えることです。共感の場合は「痛くて辛そうだね」というふうなメッセージを伝えることになるでしょう。

アドバイスによって解決できる単純な問題であれば、それで良いのですが、人の困り事って色んなバリエーションがあってアドバイスが必ずしも当たるとは限らないし、ともすればアドバイスする側の自己満足に陥っているときもあるのではないでしょうか。その自己満足感が気持ちいいためにアドバイスをすることが多いってありそうな気がしています。

カウンセリングをさせて頂いていると、このアドバイスというものがいかに無力なものかを痛感させられることが多いのです。多分クライエント自身はすでに自分でやれることをやってみた結果、どうしてもうまくいかなくてカウンセリングにお越しになっている。そんな中でカウンセラーがするアドバイスというのはすでにクライエントが試したことだったり、無意味であると認識していることだったりします。また、アドバイスをすることで、カウンセラーは「自分のやるべきことをした」感に逃げるというか、引っ込んでしまう。

そうなってしまうとカウンセリングはなかなか前に進まない。アドバイスというのはクライエントが「~が辛い」という直球に対して、バットでがーんと打ち返すようなものだと思います。逆に共感というのはクライエントの直球をバシンと受け止めるキャッチャーのようなものになるでしょうか。悩みを投げるピッチャーとしてはどちらが嬉しいでしょうか。

相談とカウンセリングは異なるとも言いますが、悩んでいる人の話を聞くというところでは同じです。明らかに知らないがゆえに悩んでいるならアドバイスも有効なのでしょうが、そう単純ではない相談事については、アドバイスをする前に、共感を挟んでみると相談する側にとって嬉しいでしょうし、聞いてもらえた感を持った上で聞くアドバイスはより効果的になるように思っています。