今日は残業と幸福感について面白い記事があったのでそれを参照しながら記事を書いてみます。

月60時間以上残業する人の「幸福度」は高いが、健康リスクは残業しない人の約2倍~『希望の残業学プロジェクト』会社員6,000人を対象とした残業実態調査~パーソル総合研究所

この記事で興味深い結果が出ていました。

本プロジェクトでは、残業が発生する職場の特徴について分析し、残業発生のメカニズムを検証しました。その結果、残業は「集中」して、「感染」して、「麻痺」させて、「遺伝」することが明らかになりました。

できる人に仕事が集中し、それを見ている周囲の社員が帰りづらくなり、残業の大変さが麻痺して、自分の若いときの残業経験が遺伝していくと。

わかる気がします。確かにできる人に仕事が集中するのは一見当たり前というか自然な流れなのかもしれません。ですが、もっと大きな視点で見てみるとできる人が忙殺されてしまう可能性が高くなり、最後には退職されてしまうか、心身の不調をきたしてしまうという結果になると思います。なんというか悲しい話です。できる人に対してに限った話ではありませんが、社員が自分の能力の範囲内でパフォーマンスを発揮できるような取り組みが大事なんですね。でも、今の御時世、人が足りなくてそこまで手が回らないという話なのでしょうか。

残業時間に応じて、「幸福度」は徐々に低下しますが、月60時間を超えると上昇することが明らかとなりました。しかしその一方で、60時間以上残業している人のうち、強いストレスを感じている人の割合は残業しない人の1.6倍、重篤な病気・疾患がある人は1.9倍と、高い健康リスクにさらされていることが判明しました。過度な長時間労働は主観的な幸福感を上昇させ、健康被害を軽視してしまう可能性があることが推察されます。

この記事で興味深く思ったところは、一定の時間残業すると「幸福感」が増してくるという点です。そんなバカなと思いましたが、「麻痺」という表現を見てなんとなくわかったように思います。残業時間が伸びると心身ともに辛くなります。それが毎日続くのは辛いものです。なので、体や心がその辛さを麻痺させてしまう。一種の自己防衛本能が起動した感じでしょうか。この残業し過ぎで幸福感というのはとても危険な香りがします。そういう経験を何度かしていると、残業の幸福感を求めてどんどん残業をしてしまうのではと懸念しています。幸福感を感じていても健康リスクは高まっていて、それを本人が気づかない、または気づいていても幸福感の方を優先してしまうなんて事があるように思えました。

そして遺伝。上司の若いときの残業体験が部下や後輩に遺伝していく。多分なのですが、新人社員など他の会社を知らない、他の仕事環境を知らない社員ほど遺伝の影響は受けやすいのではないでしょうか。たくさん残業していてもそれが異常だという認識するための比較材料がないからです。仕事とはそういうものだと刷り込まれてしまう。上司もそれをみて自分が若い時に残業をたくさんしていた過去を重ねてみている。これでは残業を減らすというのはなかなか難しいですよね。恐らく残業による幸福感の経験も遺伝していくのだと思います。

働き方改革の名のもとに残業削減が謳われていますが、単に減らせと大号令をかけるだけでは減らないと思います。仕事の量が減らないと隠し残業だったり家で仕事をしたりで何も変わらないでしょう。大事なのは今の仕事の合理化だと思います。やらなくて良いことはやらない、他の人にもできる仕事なのであればアウトソースする、こういう取り組みをしていく必要があると思いました。