働く若い人は辛い時にはもっとヘルプサインを出してほしい

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開業してから約3年が経ったのですが、今までご利用いただいたクライエントの年齢性別を振り返ってみると、性別では女性が圧倒的に多く、また年齢層は20代から40代と広く分布しています。ほとんどお見かけしないのが20代から40代の男性です。これはなにを指し示すのでしょうか。男性はあまり心的問題を抱えていない?カウンセリングに抵抗がある?いろいろと想像はできますが、実態はどうなのでしょうか。

ここで、メンタルヘルスの援助要請(産業医に相談する、カウンセラーに相談するなど)について興味深い研究がありました。抜粋ではありますがご紹介したいと思います。

専門的ケアに対する援助要請を年齢別で比較したところ, 援助要請意図は年齢が低いほど低く, 抵抗感はその逆を示した。Berger, Levant, Mcmillan, Kelleher, & Sellers(2005)は18歳から88歳の男性を対象に調査を行い,年配の男性の方が援助要請にポジティブな態度をもっていることを明らかにしている。本研究においても,年代が上がるほど援助要請が高くなっており,Berger, et al.(2005)と一致する結果が示された。『職場におけるメンタルヘルス風土と労働者の援助要請およびメンタルヘルスの実態』前川 由未子 金井 篤子 2015

この論文で実施した研究対象者は男性に限定していることに留意しながらまとめると、「若い男性は専門的ケアに対してネガティブな印象を持っている」と言えるのではないでしょうか。さらに続きを見てみると、

援助要請は年齢が若いほど低くなることから,若い労働者は問題を抱えた場合にも専門的ケアにつながりにくく,悪化のリスクが高いことが示唆された。したがって,若年層の労働者には一人で問題を抱え込まないよう周囲が注意するなど,更なる工夫や配慮が必要であると考えられる。『職場におけるメンタルヘルス風土と労働者の援助要請およびメンタルヘルスの実態』前川 由未子 金井 篤子 2015

この比較的若い年代がヘルプサインを出せない、出さないというのが私が心配しているところです。というのも、この若い年代は就職、結婚、子供ができるなど多くのライフイベントが起きる年代でもあります。就職も結婚も良いことなんだからストレスとは関係ないと思われるかもしれませんが、実際はそうではありません。新しい職場になれるまでのストレス、新しい生活を始めるストレスは少なからずあると思います。そのようなさまざまなストレスが発生しうる年代からヘルプが出ないのは大きな問題なのではないでしょうか。

私はもしかすると、ヘルプを出すことで今後の自分のキャリアが閉ざされてしまうという考えがあるのかもしれないと思います。もし本当にヘルプを出した人のキャリアが閉ざされてしまうのだとしたらそれはあまり良いこととはいえません。困ったときに誰に頼ればいいかを知っていて実際に頼ることも社会人の重要なスキル。それを本人だったり職場がマイナスに評価してしまうのはお互いに良い結果を生むことはできないでしょう。

困ったときは頼っていい、これを若い世代の方にもっともっと知ってほしいと思います。

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